体感的に竹の可能性を知る
エシカルバンブーが手掛ける
竹の総合施設「竹ラボ」
体感的に竹の可能性を知る
エシカルバンブーが手掛ける
竹の総合施設「竹ラボ」
防府市・宇部市/山口
2024.08.21
新山口駅から車で20分ほどの場所にある「竹ラボ」。宇部市小野地区の廃校を活用した竹の総合施設です。館内には竹にまつわる貴重な資料がずらり。実際に音を鳴らせる竹楽器なども展示されており、竹の可能性について体感的に学ぶことができます。
竹ラボの館長を務めるのは田澤恵津子さんです。田澤さんは竹ラボを運営する「エシカルバンブー株式会社」の代表取締役社長兼CEOでもあり、竹を生かした商品企画・製造・販売を行っています。「竹ラボは竹の可能性を追求し、地域資源を見直すきっかけにもなり得る重要な場所なんです」と語る田澤さん。竹ラボ設立にまつわる思いや経緯を伺いながら、同施設の魅力を深掘りしました。
竹ラボの施設内を丁寧に説明される田澤さん
かつては大手商社に籍を置いて東京で働いていた田澤さん。独立後に取引先より「竹の伐採に苦慮している」と相談されたことを機に、循環的に使える資源として竹の活用を模索するようになった。竹炭と湧水で作る洗剤原液「竹ミネラル」を山口の企業から事業承継したこともあり、2016(平成28)年には防府市にエシカルバンブー株式会社及び製造工場を設立。地域社会との結びつきを強めていった。
2020(令和2)年には「竹の事業に関わる以上、次の世代に竹の魅力を伝えていく場所がほしい」との思いから竹ラボをオープン。廃校のリノベーション作業は連日深夜まで続いたが、次第に田澤さんの熱意に打たれた地域の人々もサポートしてくれるようになったという。
入口に吊るされている竹の風鈴
竹ラボの館内に入ると、まずは竹を使った巨大なオブジェの数々に圧倒される。関連の知識がなくとも心揺さぶられる圧倒的な存在感。繊細な竹の工芸品などを眺めるのとはまた違った感動がある。天井に吊るされた竹の風鈴が織り成す音色も印象的だ。よく響くのに柔らかさもあって耳に心地よい。その他にも写真を多用した展示パネルはもちろん、竹民具などの品々が体系的に並べられており、いやが上にも竹への興味を掻き立てられる。
竹のミュージアムだけでなくエシカルバンブーの社内研究施設「ethical labo」が設置されている点も特徴だ。こちらの施設を利用して、より良い商品を生み出すための品質追求が進められている。未来への投資としてオープンしたという竹ラボ。非常に見ごたえのある施設だ。
一部屋ごとに違う視点で竹の魅力が伝わる
現在竹ラボには国内外から多くの人が訪れている。全館を見終わったときに寄せられる「楽しかった」「竹ってすごい」といった声も田澤さんの励みになっているようだ。こうして新しい人の流れができ、地域の可能性も更に広がっていけばいい。田澤さんのまなざしは竹と地域社会の双方に向けられている。
竹について多角的に知ることができる竹ラボの展示。放置竹林が「竹害」として問題になっている竹だが、見方を変えれば未来に残せる「竹財」になり得ることを楽しみながら学べるよう工夫されている。「将来的には竹ラボに新たな竹産業の場を構築したい」とも語る田澤さん。竹ラボという施設自体にも無限の可能性がありそうだ。
〒754-1311 山口県宇部市大字小野8345-2 地図を見る
TEL/ 0836-55-6179
開館日/月・火・木・土・日曜日
開館時間/午前の部10:00~12:00 午後の部13:00~16:00
※見学人数が多い場合・特別室の見学を希望する場合は事前予約要
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