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呉市・神石高原町/広島

独自技術で日本酒を浄溜
熟成による変化も楽しめる
ナオライの「浄酎」

呉市・神石高原町/広島

三宅 紘一郎_ナオライ

2024.07.03

「多様で豊かな日本酒文化を未来に引き継ぐ」という理念のもと、2015(平成27)年に広島県呉市の三角島(みかどじま)に設立されたナオライ株式会社。設立以降、理念を現実のものとするため日本酒を使用したお酒を展開してきました。

そんなナオライが展開するお酒の中でも、特に注目したいのが「浄酎(じょうちゅう)」。「低温浄溜」という独自技術により日本酒からピュアなアルコール分だけを抽出し、熟成を可能にした新感覚の和酒です。

浄酎の商品開発を機に設置された、神石高原町にあるナオライ 神石高原浄溜所に訪れ、ナオライ株式会社の代表取締役である三宅紘一郎さんに「浄酎」の魅力についてお聞きしました。

浄酎が熟成されている樽貯蔵室で品質を確認する三宅さん

日本酒を低温浄溜し、熟成可能にした新感覚の和酒

「浄酎」は日本酒からピュアなアルコール分だけを抽出したお酒。アルコール分の抽出は「低温浄溜」というナオライ独自の技術で行われる。40℃以下の低温で浄溜し、日本酒が持つ華やかな香りや甘美な味わいをそのまま凝縮する技術だ。

豊かな風味そのままに低温浄溜された「浄酎」の大きな魅力は熟成できること。本来、日本酒はアルコール度数が高くないため、時間が経てば経つほど風味が損なわれてしまう。一方「浄酎」は日本酒から水分だけを取り除いた度数41度のお酒。時間が経てば経つほど丸く深みを増していく。

ウイスキーのように育てていける新感覚の和酒、それが「浄酎」だ。

廃業した酒蔵が利用していた蔵を改修して浄溜施設として再利用

ギフトにもおすすめ!種類や飲み方のバリエーションを楽しんで

現在ナオライから販売されている「浄酎」は、大きく三つのタイプに分けられる。一つ目は日本酒を低温浄溜して瓶に詰めた「浄酎」で、酒蔵を指定しない「浄酎白紙垂(しで)」と、指定する「浄酎銀紙垂」がある。二つ目は低温浄溜後に樽の中で熟成させた「浄酎金紙垂」。そして三つ目は「浄酎」と無農薬レモンの皮を掛け合わせた「琥珀浄酎」だ。

「浄酎金紙垂」と「琥珀浄酎」の熟成は、国産ミズナラ樽とアメリカンオーク樽で行われる。国産ミズナラ樽で熟成するとフレッシュな香りに、アメリカンオーク樽で熟成すると甘いバニラのような香りになるという。熟成樽による違いを試してみるのも楽しいだろう。

「飲み方としてはストレートだけでなく、ロック、水割り、炭酸割りなどもおすすめです。お酒が弱くても楽しめる飲み方はあるので試してみてください」と三宅さん。幅広い飲み方ができるので、ギフトにしても喜ばれるはずだ。初めて「浄酎」を飲む人や、お酒があまり強くない人には熟成された「浄酎金紙垂」と「琥珀浄酎」をお勧めしたい。丸く深みが増した和酒を味わえるだろう。

浄酎生産マネージャーとして活躍している神石高原町出身の松井咲樹さん

全国の酒蔵と連携し、日本酒の多様性を表現していく

ナオライでは「地域の酒蔵との連携」をテーマに掲げ、現在は主に広島県内の酒蔵が醸造する日本酒をベースに「浄酎」をつくっている。今後は県外のさまざまな酒蔵とも連携し、その土地ならではの風味を表現できればと考えているそうだ。

「例えば新潟に浄溜所をつくって、新潟の地酒で『浄酎』をつくるといった具合にやっていければ。今は広島県の神石高原町にある酒蔵のみですが、今後はその土地ごとに拠点を設けて日本酒の多様性をより強く表現していきたいです」と三宅さん。

自分が住む土地の「浄酎」を手土産にする、旅先でその土地の「浄酎」を楽しむ。そんな未来がやってくるかもしれない。その時「浄酎」は日本を代表するお酒の一つとなっているだろう。そうなることを期待しながら、原点とも言える現在の「浄酎」を味わってみてはいかがだろうか。販売はナオライのオンラインショップなどで行っている。

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