花の女王、「バラ」を育てる
受け取る人の笑顔のために
一つ一つの手間を惜しまずに
花の女王、「バラ」を育てる
受け取る人の笑顔のために
一つ一つの手間を惜しまずに
柳井市/山口
2025.02.05
山口県柳井市にある約3700坪の農園で、バラ、カーネーション、胡蝶蘭を生産する株式会社ホシファーム。主力であるバラは12品種を基本とし、年間約30万本を生産しています。生産したバラは主に市場へ出荷。また自社で、ブーケやお菓子とのセットアップギフトなどへ加工し、実店舗「ギャラリー&ギフト アド」や自社ECサイト、JR西日本の産直オンラインショップ「DWモール」などで、消費者に直接販売もしています。
栽培ハウスを訪れると、黙々と作業する人が。バラ栽培歴約30年のベテランスタッフ、西本正和さん、兼重正明さんです。65歳以上のシニアスタッフ16名と50代のエルダースタッフ数名をまとめ、生産管理の中核を担われています。お2人に、ホシファームのバラづくりについてお聞きしました。
バラ栽培の中核を担う、西本さん(左)と兼重さん(右)
バラの栽培方法には、水耕栽培、土耕栽培、養液土耕栽培などがある。ホシファームで採用しているのはロックウールによる水耕栽培。ロックウールは鉱物からつくられる人工繊維で、スポンジのような見た目をしている。土づくりを必要としないことから、比較的容易に肥料管理などができるという。また土耕栽培に比べると、花が大きく、幹が太く育つのも魅力。ギフトにぴったりな、ボリュームたっぷりのバラを生産できるそう。
西本さんたちの1日の作業は、日の出と共に始まる。出荷にちょうど良い頃合いのつぼみを見極め、午前9時ごろまでに採花。その後、市場用とギフト用に分けて冷蔵庫に入れ、出荷に備える。全ての作業が終了するのは夕方ごろだという。バラは生き物であり日々成長するため、この作業は休みなく毎日繰り返される。
水耕栽培によりボリュームたっぷりのバラを育てる
毎日繰り返されるバラの生産作業。その中で西本さんは、「バラの様子を注意深く観察し、やるべき時にやるべきことをやる」ことを大切にしているそう。水が少ないなら足す、肥料が足りないなら与える、病気にかかりそうなら対処するなど、必要な時に必要な作業をすることが何より大切。そして、今何が必要なのかを判断するためには、日ごろからバラの様子を観察し、ちょっとした変化にも気づけるようにしておかなければならないという。
「特に、葉の様子を観察することが大切です」と兼重さん。バラは植物であるため、主に葉で光合成をして必要な養分を合成する。葉の大きさ、ハリ、ツヤなどの変化は、バラの健康状態のバロメーターなのだそうだ。
当たり前のことを、当たり前にする。言うのは簡単だが、毎日変化し物言わぬバラ相手に、それを続けるためには根気がいることだろう。ホシファームのボリュームたっぷりな美しいバラは、西本さん、兼重さん、そしてスタッフの皆さんの地道な努力の結晶なのだ。
毎日観察することでバラを健康に育てる
「バラは『花の女王』とも呼ばれます。手にした方はどんなに喜ばれるだろうかと想像しながら、私たちは日々作業をしています。できるだけ長く、美しい姿を楽しんでいただけると嬉しいです」と兼重さん。
ホシファームのバラは、生産や出荷などの際に花きの日持ち性向上対策がなされていることを認める「花き日持ち品質管理認証」を取得済み。基本的には5分咲き程度の状態でお客様の元に届けられるため、ご自宅でしっかりと管理すれば、つぼみが徐々に開く様子や、開いた花の美しさを長く楽しめる。
ご自宅で管理する際に、特に気をつけていただきたいのが水換え。何日も同じ水に浸けていると切り口からバクテリアが発生し、水や養分を運ぶ道管が詰まって枯れてしまう。水換えは、できれば毎日するのがおすすめだ。少し手間はかかるが、水換えの時間はバラを贈ってくれた相手を思う大切な時間にもなるはず。しっかり管理して、美しさを長く楽しんでいただきたい。
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