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長門市/山口

地元酒蔵とコラボ
酒粕で旨みたっぷりに育つ
「ほろ酔いさば」「ほろ酔いうまづらはぎ」

長門市/山口

山下 徹_長州ながと水産

2024.12.25

山口県長門市の青海島で水産養殖業を営む、長州ながと水産。日本海から引き込んだ清浄な海水の掛け流しにより、「身が綺麗」と評判のトラフグを陸上養殖しています。

また内海となる紫津浦に設置した筏では、サバ・ウマヅラハギ・シマアジ・タイなどさまざまな魚種の海面養殖も実施。サバとウマヅラハギについては、山口県が主導する「やまぐちほろ酔い養殖業推進事業」に参画し、「ほろ酔いさば」「ほろ酔いうまづらはぎ」としてブランド化しています。

「ほろ酔いさば」と「ほろ酔いうまづらはぎ」の魅力についてお聞きしました。

左から河部 努さん、山下 徹さん、小川 渉さん

養殖魚×酒粕の「やまぐちほろ酔い酒粕養殖魚」

「ほろ酔いさば」と「ほろ酔いうまづらはぎ」は、「やまぐちほろ酔い養殖業推進事業」により誕生したブランド養殖魚。本事業は県内の水産養殖業の振興を目的として、山口県が始めたものだ。山口県が日本酒の名産地であることに着目し、その副産物である酒粕とコラボしたブランド養殖魚「やまぐちほろ酔い酒粕養殖魚」の開発を発案。2019(令和元)年から酒粕を餌に混ぜて養殖魚を育てる試験に着手し、約2年をかけて2021(令和3)年にブランド第1弾として生産・販売に至ったのが「ほろ酔いさば」だ。現在は第2弾の「ほろ酔いうまづらはぎ」、第3弾の「ほろ酔いあゆ」も誕生している。

長州ながと水産はこの事業に参画し、2021(令和3)年から「ほろ酔いさば」の生産を開始。2023(令和5)年からは「ほろ酔いうまづらはぎ」も手掛けている。

出荷直前のウマヅラハギは水槽に一時待機する

上品な旨みと甘みが魅力の「ほろ酔いさば」

「ほろ酔いさば」は体重500g以上のサバに、酒粕を20%以上(乾物換算)添加した餌を連続15日以上与えて生産する。現在は長州ながと水産を含む2つの水産養殖業社が手掛けており、それぞれ異なる酒造の酒粕を餌に添加している。長州ながと水産が使用するのは、山口県萩市にある「八千代酒造」で日本酒づくりの際に出たものだ。

「酒粕の添加により旨みと甘みが増すことから、お客様に喜ばれています」と山下さん。身にグルタミン酸とアラニンが増え、旨みと甘みが強くなるそう。また酒粕由来のフルーティーな香り成分も検出されており、魚臭さの少ない上品な味わいになるのも魅力だ。例年3月8日(サバの日)前後から5月まで、地元の道の駅「センザキッチン」内でお刺身や一夜干しなどの加工品として販売され、好評を集めているという。

長門市仙崎にある、道の駅「センザキッチン」

これからに期待が高まる「ほろ酔いうまづらはぎ」

「ほろ酔いうまづらはぎ」は体重200g以上のウマヅラハギに、「ほろ酔いさば」と同様に給餌を行うことで生産する。こちらも酒粕を添加した餌により身にグルタミン酸やアラニンなどが増えるため、旨みと甘みを感じられるのが魅力。また肝にも旨み成分であるグルタミン酸とアスパラギン酸が増えるという。養殖のウマヅラハギは、天然物より肝が大きくなるそう。肝の旨みが増すのは大きな利点といえるだろう。

元々、長州ながと水産ではウマヅラハギの養殖自体をあまりしていなかったこともあり、まだまだ生産量は少ないという。「これからもっと生産量を増やしていきたいです」と山下さん。今後の拡大にも期待が高まる「ほろ酔いうまづらはぎ」。店頭で見かけた際には、ぜひ手に取ってみてほしい。

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